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間伐の目的と定義

間伐

 間伐は、込みすぎた森林を適正な密度で、健全な森林に導くために、また利用できる大きさに達した立木を徐々に収穫するために行う間引き作業です。
 除伐も間引き作業の一つですが、除伐は目的樹種以外の侵入してきた樹種を中心に、形質の悪い目的樹種も含めて間引きを行う作業をいいます。しっかり下刈りされていれば、また植栽樹種がその適地を間違っていなければ、除伐を必要とすることはありません。


 

間伐の種類と方法

間伐は選木のしかたによっていくつかのタイプに分けられます。

・林分構成木を見分ける
 同齢林の場合、まず林分構成木を見分ける必要があります。これには、優勢木、準優勢木、介在木、劣勢木があります。 

 
樹形のクラス分け
優-優勢木: 相対的に樹高が大きく、樹冠が発達し、陽光をよく受けており競争力が最も高い。
準-準優勢木: 樹冠位置は優勢木とほぼ同じいちにあるが、側方からの陽光はやや少なく樹冠の発達は優勢木よりもやや劣る。
介-介在木: 樹冠位置は優勢木、準優勢木と同じく上層にあるが、側方からの陽光は少なく、樹冠および幹ともに細長い。
劣-劣勢木: 樹冠の位置が低く、上方からも側方からも陽光は制限され、成長は劣っている。
・間伐の種類
 準優勢木以下を中心に伐採して間引く間伐を「下層間伐」、優勢木を中心に伐採して間引く間伐を「上層間伐(樹冠間伐)」および「優勢木間伐」、これらのいずれかを併せて行う間伐を「自由間伐」といいます。
間伐の種類
間伐する木(選木対象木)
下層間伐
(普通間伐)
準優勢木、介在木、劣勢木
上層間伐
(樹冠間伐)
優勢木
優勢木間伐
優勢木、劣勢木
自由間伐
優勢木、準優勢木、介在木、劣勢木
機械的間伐
機械的に選木

・下層間伐
 一番行いやすい間伐で、「普通間伐」とも呼ばれます(前頁・図27)。
 残存木の成長を促進するという、間伐に求められる重要な効果は一番少ない方法です。なぜなら、間伐せずに放置しておいてもやがて枯れていく木を、早めに伐るにすぎないからです。そのかわり選木はしやすく、残存木の均等配置は一番とりやすくなります。
 また、間伐後の台風などの気象災害に対しては最も安全です。
 
下層間伐の選木と主伐木の年輪構成

 
・上層間伐
 樹冠間伐とも呼ばれ、広葉樹の用材生産施業における間伐に用いられるものです、
 優勢木の形質と成長にマイナス影響を与える優勢木を優先的に間伐する方法です。
 このとき、優勢木の中でも相対的に形質の劣る優勢木を優先的に間伐し、優良木に影響を及ぼさない準優勢木以下は残します。
 準優勢木以下を残すのは、間伐後に優良木の幹から後生枝が発生するのを防ぐためです。
上層間伐(樹冠間伐)


 
・優勢木間伐
 形質の悪い優勢木を優先的に伐って、残った中で形質良好な中庸木が最低利用径級(心持ち柱材が1玉収穫できる)に達するまで多く残していこうとするものです。そして利用径級に達したら、大きな木から間伐して収穫し、結果的にできるだけ多くの木が収穫できるようにするものです(前頁・図29)。
 優勢木間伐は、若いときの(幹の中心の)年輪幅は開きすぎず、樹齢が高くなってからは年輪幅は詰まりすぎず、全体に年輪構成の均一な材が生産でき、良質材生産に適した方法です。この間伐方法は、スギやヒノキの良質材生産に有効です。
 一方、間伐直後の林分構造は細長い木が風雪にさらされるので、冠雪害や風害に対応するために弱度に頻繁な間伐を慎重に行う必要があります。なおこの間伐方法は優勢木とともに劣勢木も間伐の対象にします。
優勢木間伐の選木と主伐木の年輪構成

 
・機械的間伐
 優勢的や劣勢木などに関係なく、1本置きに伐るといったように機械的に間伐していくもので、2列残して1列伐るなどという「列状間伐」は機械的間伐の代表例です。
 列状間伐は作業効率は高いのですが、質的生産の上で欠点があり、仮に列状間伐を採用しても残された列の中で形質の悪い木は除去するなどの考慮は必要です。
 
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